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写真:高西氏

自分が主体となって様々な場所で様々な人々と想像力を発揮するそんなエンジニアがいま求められています
高西 淳夫 教授
早稲田大学 理工学術院教授
2足歩行ロボット、人間搬送2足ロコモータ、咀嚼ロボット、医療訓練用ヒューマノイドの研究に従事。「ROBODEX2000、2002、2003」、「Lille2004」(仏)、「愛・地球博」(WABIAN-2、2005)等世界各国でロボットデモ展示を行っている。
ロボット産業振興会議副会長、日本学術振興会各種審査員、日本科学技術振興機構各種審査委員、国際学会IEEEの各種審査委員、日本機械学会、その他多数の機関等の委員を兼務。

写真:宇田川

「次世代エンジニア」とは会社や組織の枠を超え、いろいろな経験を積んで自分の価値を高める人
宇田川 雅俊
株式会社スタッフサービス エンジニアリング事業本部 カウンセリング部マネージャー
大手自動車メーカーでレース用の高性能エンジン開発や、量産車用エンジンの近未来排気ガス対策業務などを経て、自動車専門学校に転職。教鞭をとるかたわら、学校主体のレース活動(GT選手権・スーパー耐久など)のエンジン開発および監督業にたずさわる。現在は、スタッフサービス エンジニアリング事業本部で、その豊富な経験と知識を活かし、企業が求める人材像とエンジニアのスキルを精査・マッチングする「スキルカウンセラー」として活躍中。自動車整備士の資格も持つ、根っからのメカニック大好き人間である。

対談記事インデックス

  1. 当初は「100kg以上の鉄のかたまりが二足歩行するなんてあり得ない」と言われた
  2. スムーズな二足歩行を可能にしたのはリハビリ専門家の一言だった
  3. 問題に対して回答が必ずあるとは限らないし、正解も1つではない
  4. 日本人でなければできないモノづくりのアプローチがきっとある

第1回:当初は「100kg以上の鉄のかたまりが二足歩行するなんてあり得ない」と言われた

宇田川
高西先生は、二足歩行ロボット「WABIAN-2R」をはじめ、人と同じように呼吸してフルートを演奏するロボット、顔の表情で感情を表現する情動表出ヒューマノイドロボットのアイちゃんなど、「人と同様のしくみを持ち、人と同様に動けるロボット」を研究しておられます。
高西

写真:高西氏WABIAN-2R

1970年代、早稲田大学の故・加藤一郎先生が、おそらく世界で初めて、人型(ヒューマノイド)ロボットの研究を始められました。そのころ、2本の足で歩くロボットを研究テーマにしたら、他の先生からは、「鉄で作った100kg以上の機械が、たった2本足で歩くわけがない。不可能な研究はやめなさい」と言われたそうです。
今でこそヒューマノイドは、ホンダさんやソニーさんなど日本のビッグネームが競争しながら臆することなくどんどん作っていますが、異端視された時代もあったのです。けれども加藤先生は、「逆境だからこそ、絶対に2本足で歩かせてやろうと思った」とおっしゃっていました。自分の信念を曲げずにやり続けることは、研究者としてとても大事なことですね。

宇田川
人型ロボットの開発にはそんな苦労話があったのですね。しかし、今では世界最先端の研究として注目を集めていますよね。
高西
それでもやはり、「なぜ人型なのか」と、特に海外の研究者からは必ず聞かれます。欧米では倫理観の違いのせいか、人が人を創ること―すなわち人型ロボットを造ること―にものすごい抵抗感があります。人は神のみが創造できるという理念が背景にあるわけですよね。そのせいか欧米のメディアからは「クレイジーだ。数年後には、日本の首相は、ロボットになるのではないか。」と本気で言われることもあるんですよ。
宇田川
確かにヨーロッパなどでは鉄腕アトムやガンダムみたいなアニメーションが生み出されなかった。それはそいうった事情からなのでしょうか。
高西

写真:高西氏&宇田川

そうかもしれませんね。けれどもわたしは、人型ロボットを作ることは、人を解明していくことだと思っています。これまでも、人の歩行、発話、咀嚼、感情表出などの研究を進めていく中で、多くの人体の謎が分かってきました。
また、その間さまざまな人とも出会いました。義足・義手の開発者、障害を持つ人のリハビリ機器を作っている医者、俳優を使って感情表現の研究をしている心理学の先生、言語学者など。こうした人々と双方向でコラボレーションすることが現在の私の研究に非常に役立っています。

宇田川
コラボレーションですか。つまり、さまざまな分野の人々と協力しあって、新しい技術を開発していくということですよね。それは意外ですね。では、次回はそのあたりの“エンジニアとのコラボレーション”についていろいろお聞かせください。
写真:高西 氏プロフィール
高西 淳夫 氏(たかにし あつお)
1956年福岡県生まれ。早稲田大学理工学術院教授。二足歩行ヒューマノイドなどロボットの研究・開発の世界的な第一人者。ロボット産業振興会議副会長、日本学術振興会各種審査員、日本機械学会委員、日本ロボット学会委員などを務める。



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