機械設計
機械設計の仕事への転職とは?
機械設計エンジニアを取り巻く環境は、近年大きく変化し始めています。メーカー各社はこれまでの厳しい経済状態の下、グローバル化や再編などで企業間の競争が激しくなる中で生き残りをかけて人員削減を行ってきました。しかし、最近の景気回復傾向が見える中、自動車産業や機械メーカーでは機械設計エンジニアが不足し始め、人材を確保して設計力を強化しようと外部から即戦力となる機械設計エンジニアを受け入れる企業が増えてきています。
この背景には、2004年の労働者派遣法の改正があります。いわゆる政令26業務で、機械設計エンジニアは無期限での派遣が行えるようになりました。人材を受け入れる側は必要なときに必要なだけの人材を確保でき、派遣エンジニアも得意とする分野、目標とするレベルの仕事に就けるという利点があります。
機械と一言でいってもさまざまな機械があり、どういう機械の設計かによって、求められる仕事内容も変わります。例えばエレベーターの機械設計を行なう技術者はこう言います。「エレベーターというのは1回設置してしまうと、できるだけ入れ替えたりしたくないものなんですね。だから、20年先を見越した設計ができるか、ということが問われているんです」。
あるいは、アジアの発展地域に輸出する医療機器を設計している機械設計エンジニアは、「その地域には天地無用なんて概念がないから、平気で逆さにして運んでしまう。機械の重量と耐久性は正しい向きを前提にしているから、壊れやすくなってしまうんですね。奥地に納品した途端に動かない...。だから実はPHSが組み込んであって自動的に壊れた箇所を送信させたり、最初から壊れやすい部品をもう1つ中に入れておいて、交換に行かなくて良いようにしたり」するのだとか。
現在の機械設計エンジニアには、実際の稼働環境など、条件によって求められる要素が全く異なる事を想定した上で設計し、機械を扱う人や環境まで踏み込んで考えられる思考力や柔軟性などが広く求められていると言えます。
機械設計エンジニアとは、こうした環境や条件に敏感に反応できる感性や、新たに飛び込む業界の常識をうまくキャッチしなければならない仕事のようですね。
では、そんな機械設計エンジニアに転職するにはどんな人材が求められているのか、次のページで見ていきましょう。