メールでスキルアップ相談「そうだんくん」Q&A紹介

Q3. 現在、半導体の回路設計の業務に携わっています。その中でEMI(不要輻射)関連を扱うので、EMI(不要輻射)を基礎から学べる書物はないでしょうか?
現在、半導体の回路設計の業務に携わっています。その中でEMI(不要輻射)関連を扱うので、EMI(不要輻射)関連を基礎から学べる書物はないでしょうか?さらに、PI(パワーインテグリティ)、SI(シグナルインテグリティ)、プレーン共振も扱っていくのでそれらに関しても基礎から学べる書物はないでしょうか?私は電気・電子系を学んだ事が全くなく、初心者でもわかりやすい書物を探しています。よろしくお願いします。

半導体メーカー就業中の方より
A3.ご相談にお答えします。
現在、半導体の回路設計に携わっておられるとのことですが、LSI自体の設計かLSIを使用した電子回路設計かでEMI(不要輻射)技術の難しさが変わります。電子回路の知識、経験が全くないということなら、まずはプリント基板におけるEMI(不要輻射)について勉強されるとよいと思います。
まずはわかりやすい初歩的な書籍をご紹介します。
●「よくわかる回路設計者のためのSI・EMI対策」
(日刊工業新聞社 ISBN:978-4-526-05877-6)
電子回路の知識が多少あれば、次の本もおすすめです。
●「プリント回路のEMC設計」
(オーム社 ISBN:4-274-03500-X)
LSIのアナログ回路におけるノイズについては、次の本が参考になるかもしれませんが、ノイズに特化されて説明があるわけではありません。
●「LSI設計のためのCMOSアナログ回路入門」
(CQ出版)
LSIのEMI(不要輻射)技術となると極めて専門性が高く、現在でも盛んに研究されている分野で簡単な本はあまりないというのが現状です。最近、ASICのデジタル回路設計においても、RCを考慮した配置配線手法の研究もおこなわれているようです。アナログ設計においては上述の本を参考にしてください。もう少し専門的な本も日本語で読むことができます。CMOS アナログというキーワードで検索するとよいでしょう。最後に、ノイズの物理的な原理について知りたい方に。
●「LSI技術者のための親切な電磁気学」
(丸善)
これらの書籍を参考にし、またわからないことは周りの先輩社員にも聞きながら、今後のキャリア形成を豊かなものにしていってください。