品質管理 徹底研究!について

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技術者転職 徹底研究シリーズ

品質管理 徹底研究!

品質管理の仕事と聞くとまっ先に思い浮かぶのが<QCサークル>という言葉ではないでしょうか。<QCサークル>のQCとは<Quality Control>=文字通り「質を制御する」ということを意味しています。

経験がモノをいう品質管理エンジニア

日本では、品質管理は社内の該当部署が担当することが多いものです。しかし、長い不況の間に経験豊かなエンジニアを解雇してしまった企業も多く、近年では外部から品質管理エンジニア、品質マネジメント・エンジニアなどを招聘する企業が増えています。
品質管理エンジニアに求められる資質は、企業内でリーダーとなれる人であること。業界での品質管理の経験と知識が豊富で、ISO9000やISO14000の取得経験のあるエンジニアを求める声も多いようです。40歳~50歳で大企業をリタイアした経験豊富なエンジニアの活躍の場としても注目されつつあります。

1)デミング博士から始まった日本のQC

ではこのQCという概念はいつから始まったのでしょうか。

QCの「はしり」は、18世紀のアメリカの兵器製造工程でおこなわれていたといわれます。今につながる体系的なQCは、1942年、ウォルター・シューハート(Walter A. Shewhart)博士によるPDCAサイクル(PDCA cycle、またはplan-do-check-action cycle)の提唱でした。これが近代工業社会でのQCの始まりといっていいでしょう。

「PDCAサイクル」とは、いわば品質管理の基本ともいえるもので、

1)計画(Plan) 従来の実績や将来の予測などをもとにして目的、目標を決める。
2)実施(Do) 計画に沿って業務をおこなう。教育、訓練、学習をおこなう。
3)チェック(Check) 業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する。
4)処置・改善(Action) 実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする。

この4段階を順次実施し、一周ごとに成果を向上させて、継続的な改善をしていきます。螺旋を描くように進んでいくので、このしくみをスパイラルアップ(spiral up)と呼んでいます。この考え方は、ISO9000やISO1400といった国際的な品質管理基準にも反映されています。

2)品質管理の仕事の定義

品質管理という概念は、「JIS Z 8101品質管理用語」で以下のように規定されています。
「品質管理(Quality Control):買い手の要求に合った品質の品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系。品質管理を略してQCということがある。また、近代的な品質管理は統計的な手段を採用しているので、特に統計的品質管理(Statistical Quality Control,略してSQC)または、統計的工程管理(Statistical Process Control,略してSPC)ということがある。

品質管理を効果的に実施するためには、市場の調査、研究・開発、製品の企画、設計、生産準備、購買・外注、製造、検査、販売及びアフターサービス並びに財務、人事、教育など企業活動の全段階にわたり経営者を始め管理者、監督者、作業者など企業の全員の参加と協力が必要である。このようにして実施される品質管理を全社的品質管理(Company-Wide Quality Control、略してCWQC)又は総合的品質管理(Total Quality Control、略してTQC)という」

要約すると、品質管理とは「顧客や社会の要求する品質を理解し、これに応じた品質の製品を効率よく、経済的に作り出し、顧客や社会の満足を得るために、全員が協力して品質の改善と維持をおこなうこと」となるわけです。

3)品質とは何?

品質を生産管理・品質管理という視点から見ると、
美的概念、性能的概念から考えた場合、
「設計品質(ねらいの品質)」
安定的概念から考えた場合、「生産品質(できばえの品質)」
となり、両者を統合する意味での品質=「総合品質」という概念が加わります。

業種によってはこれに、商品企画段階で決まる品質、顧客の要求する品質を理解し、製品コンセプトに盛り込む品質を指す=「企画品質(コンセプト品質)」顧客に製品が渡って、実際に顧客がその商品を使用したときの品質を指す=「使用品質」が加わることがあります。

これを実際の生産工程に当てはめると、
●「設計品質」は、
マーケティングによる顧客ニーズの吸い上げ、製品コンセプトの立案、確定
デザインスケッチ、色彩設計から基本設計
製品の詳細設計

●「生産品質」は、
製品の詳細設計
生産工程の調整・管理
実生産時の管理
で実現するものと定義されています。

4)QCはどう変わってきたか?

QCは、日本では1960年代に、生産現場の「意識改善活動」として急速に拡大しました。しかし、1990年ごろ「消費行動の個性化、多様化」が起こります。この流れは確実に品質管理の概念にも変化をもたらしました。耐久性・信頼性ばかりが重視されてきましたが、「有名ブランド」に代表されるような、製品・商品の持つ固有の魅力も品質と考えようになってきたのです。「魅力の品質」ともいうべき品質が求められる時代への変化でした。
これは、従来のように、生産現場が不良品を出さないように試行錯誤するという品質管理手法では実現できないものです。大量に生産する「プロダクトアウト」から、顧客の細分化したニーズに合わせて生産する「マーケットイン」への改革が求められたのです。

そこで登場してきたのがTQCでした。消費者の「消費行動の個性化、多様化」に対応して、商品の企画・設計段階から、製造、販売、サービスまでの全プロセスで統合的に品質管理をおこなおうというものです。
商品の魅力は、耐久性や信頼性だけではなく、デザインや質感、所有の満足感など、感性的なものになってきました。また、妥当な価格で「満足できる」アフターサービスが得られるかどうかも、品質の新たな基準となりました。この変化に、全組織で対応を図ったのがTQCだったわけです。

日本がポスト・バブルの不況下にあった時、アメリカ経済を復活させたのは、トップダウンによる見直しです。現場からの底上げだけでは不十分でした。それは、企業トップが制定した経営戦略を、品質目標、顧客満足度目標にまで落とし込み現場に展開する、トップダウン型TQM(Total Quality Management)でした。

近年、取得企業が増えているISO9000やISO1400といった国際的な品質管理資格も、一部門の課題ではなく、全社的な対応が必須となっています。トップダウンでなければ事実上取得は難しいのです。日本でもマネージメントという概念が重視される中で、今、日本の品質管理は「トップダウン型TQM」への移行期ということもできるでしょう。

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