技術者転職 徹底研究シリーズ
自動車業界への転職
業界地図
自動車業界への転職を考えるには、その業界の構成を知っておく必要があります。いわゆる自動車メーカーの数は限られていますが、トヨタ系を中心とする部品メーカーも企業規模が大きなものが多く、世界の自動車産業をリードする存在となっているからです。
まず自動車メーカーでは、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の3社が世界販売台数のトップ10に入っています。2006年度の販売ランキングでは、首位のゼネラル・モーターズが892万台、トヨタがそれに次ぐ854万台で2位となっています。7位がホンダの351万台、9位に日産自動車の318万台となっています(数値はいずれも日本経済新聞社『日経業界地図2008』による)。
自動車産業といえば世界的な規模で企業が合従連衡していることでも知られています。たとえば、日産自動車がフランスのルノーと相互出資しているのは有名ですね。その他にも、日産は、三菱自動車やマツダと商用車などでは相互供給をおこなっています。
トヨタ自動車はダイハツ工業、日野自動車を子会社としており、富士重工業やいすゞ自動車にも出資、国内を中心に幅広いネットワークを築いています。そうした中で、ホンダは独立系の会社となっています。
自動車の世界では、アジア、特に中国などの成長が著しいのが業界全体のチェックポイントとなります。そこでの販売シェアがこれから業界地図を塗り替えていくでしょう。アジアメーカーの成長も急激で、先の世界販売ランキングでは、6位には韓国の現代自動車が351万台でランクイン、ホンダとしのぎを削っています。中国のメーカーも実力を伸ばしているといわれます。
特に中国で多くの車が使われるようになると、エネルギーの消費や大気汚染などがけた違いだと懸念されています。その意味でも、自動車業界では、低燃費や低公害の自動車開発が大きな鍵を握っています。
自動車部品業界に目を転ずると、トヨタ系の御三家と呼ばれる、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機の他、豊田紡織、ジェイテクトなどが1兆円以上の売上高を誇っています。日産系では、カルソニックカンセイ、ジャトコ、ホンダ系ではケーヒン、ショーワなどが数千億円規模の大手として知られます。
自動車業界に転職したい、と考える技術者は、こうした企業のネットワークも理解したうえで、どういった部門からアプローチしていくのか、自分のキャリアがどこで活かせるのか、イメージを具体化していきたいものです。
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